2000年7月18日
ニューヨーク・マンハッタンから、電車で約2時間、ウィルミントンの駅について思ったのは、何もない田舎の町であるということでした。
駅で降りるのは弁護士や会計士風のきちっとしたスーツを着こなす人ばかりで駅の周りの風景とはマッチしないのが印象的でした。
駅の造りは古く歴史を感じさせるものですが、駅そのものは小さく降りる人もまばらな状態でタクシーも1台待っているかどうかという感じでした。
この駅から車で15分程度のところに、当社が提携している設立登記代行会社があります。主要道路からは外れていますが、広さでいえば約500坪ぐらいの敷地に100坪程度の平屋の事務所がありました。決して洗練されている事務所ではありませんが、事務所の中では10名程度の従業員が働いています。
また、デラウェア州政府の登記事務局とは直接オンラインでコンピュータが結ばれていて、画面上で必要事項を入力するだけで、会社が設立されてしまいます。
このような代行会社は州政府から許可を得た上で業務を提供しているので、その点ではとても安心感がありました。また、登記用の住所貸しも当然行っているので事務所の中には1万件にものぼる登記済会社の書類がファイルされていました。
登記された会社の看板が掲載されているわけでもなく、その必要性も無いとのことでした。
その後ウィルミントンにある州政府経済開発局を訪問致しました。
そこには日本企業誘致担当の国際課長が応対してくれて、ぜひとも日本企業がデラウェア州に会社を設立し、実態をもったアメリカ進出をして欲しい旨、要望されました。日本企業がデラウェア州に投資することで両国の発展につながればとの思いがよく理解できました。
午後からはデラウェア州の州都であるドーバーに車で移動しました。車で約1時間半程度の道のりですが、途中の風景は特に目新しいものはなく、ただ広い土地だけが広がっていました。
そんな中に、州政府事務所の建物が点在しています。ドーバーは州都でもあり、州知事が滞在している場所でもあります。
デラウェア州にあるこの登記事務局にて、オンラインで登記代行会社から情報を入手して、自動的に会社が設立されていきます。ただ、書類に添付されるデラウェアのシールが人間の手で貼られていたのには少々驚きました。
登記局長である方とも5分間だけの約束でお会いできましたし、登記局の中も見学させて頂き、メインコンピュータも拝見できました。
日本の法務局とは全く異なるのは、人間の数がとても少ないことと、民間人の我々にとてもサービス精神をもって対応して頂いたことでした。
アメリカで起業する人が多いのも簡単に会社を設立できるシステムが構築されているからであり、またデラウェア州の法律がとても柔軟に改正でき民間のために作られているからであると感じました。
日本で起業するには、会社の設立からして時間とコストがかかります。
この点アメリカデラウェア州での会社設立は、全く異なるものであると感じました。 |